借地権を持った被相続人が亡くなった場合、その被相続人がもっていた借地権も通常通り、一般的な遺産と同じように相続の対象となります。 借地権は相続によって取得する場合は、地主の許可も不要で、新たに借地契約などを結ぶ必要もありませんが、場合によっては地主に承諾料や更新料を支払う必要が出てきます。 今回は、借地権の相続がある場合において、相続人が覚えておくべきことを紹介します。 借地権の相続を控えている方は、ぜひ参考にしてください。

借地権の相続は地主の許可がなくても可能

借地権をもった被相続人が死亡した時、残された相続人が借地権を相続するのに、特別な地主の承諾は必要なく、また、土地の賃貸借契約書を書き換える必要もありません。 土地を管理する地主に「土地の賃借権(もしくは地上権)を相続により取得しました。」と通知するだけで十分です。 ただし、建物の所有権については、相続人名義に変更する必要があります。 被相続人と同居していなかった場合でも借地権は相続することができ、「借地権者が亡くなったなら土地を返してほしい」という地主の要求に応じる必要はありません。

CHECK!

借地権の遺贈による相続は地主の許可が必要

単純に相続人に借地権を相続する場合は地主の許可は必要ありませんが、被相続人があなたからみて叔父にあたるような場合、その被相続人から譲渡(遺贈)を受ける際は賃貸人の承諾と承諾料が必要になります。

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    POINT01

    借地権の(譲渡)遺贈手続き1:承諾請求

    借地権の譲渡を有効にする為には、受遺者と遺贈義務者は連署のうえ、賃借権の遺贈がある旨を地主に通知し、承諾請求をおこないます。

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    POINT02

    借地権の(譲渡)遺贈手続き2:承諾

    承諾の相手方(地主)は、賃借人または賃借権の譲受人のどちらかに承諾をしたことを伝えます。 口頭でも構いませんが、確実に伝えたことを明らかにするためには、内容証明や配達証明郵便を使うとよいでしょう。

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    POINT03

    借地権の(譲渡)遺贈手続き3:移転手続き

    賃借人(地主)の承諾が得られたら、借地権付き建物の場合には建物の所有権移転登記をおこないます。 賃借人のある借地上の建物の遺贈を受けた場合、借地借家法の適用を受ける建物借地権については、不動産の引き渡しによって建物の物権を取得した人にも対抗しうるものになります(借地借家法31条1項)。 ※対抗とは、その主張が法的に正当であると認められうることをいいます。

賃借人(地主)の承諾が得られなかった場合

借地の場合は家庭裁判所への申し立てにより賃借人の借地権譲渡の承諾に代わる許可を得ることができます(借地借家法19条1項類推適用)。 もし、申し立てが却下された場合は承諾が受けられなかったものとして、借地権については遺贈ができなかったということになり終了です。この場合は弁護士に相談することをおすすめします。

地主が亡くなってしまった場合

万が一地主さんが死亡してしまった場合も、借地権の相続と同様に、地主さんの相続人が借地契約上の貸主の地位を相続することになります。 その際、今まで権利義務関係のすべては相続人に継承されますので、借地権は影響を受けず、契約内容も変わりません。 しかし、第三者へ底地(借地権のついた宅地)が売却された場合は状況が異なります。

借地権は地主の許可があれば売却も可能

相続した借地権は売却することも当然可能です。 実際に借地権を相続したタイミングで売却する方も多くいます。 しかし、借地権の売買や売却・譲渡は、建物の増改築同様に、「地主の許可」が無い限り、売却はもちろん増改築もおこなうことはできません。 もし、地主の承諾を得ずに勝手に売買や譲渡をした場合は契約違反となり、地主から借地権の明け渡し請求を受けることになりますので注意が必要です。 承諾を得て借地権を売却することが可能な場合でも、その際、通常は承諾料を支払う必要があります。

借地権の相続で地主とトラブルを避けるコツ

借地権を相続する際、様々な理由から建物の名義を変更しなくてはいけない場合があります。 そして、そういった時に限って、地主とトラブルになることも多いのが事実です。

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    子どもの名義で借地に建物を新築するのは絶対に避ける


    たとえば、ある父親夫婦が息子世帯と同居することになって、新築資金を息子たちから調達しようと思った場合、地主さんから「借地名義人と建物の名義人が違うなら建物の新築は認めない」といって、建て替えを承諾してくれない場合、どう対処すればよいのでしょうか。 この場合、地主の承諾を得ず無断で子ども名義の建物を新築することは絶対にNGです。 もし強行した場合、土地賃貸借契約書の「無断転貸禁止条項」による債務不履行を理由に、地主から契約解除の申し立てをされる可能性が高まります。 このケースでは、まずは息子名義人の新たな土地賃貸借契約を結んでもらうようお願いしたうえで、親子の共有名義として建物を新築する旨の承諾を得るのが無難です。


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    二世帯受住宅の新築を許可なく行うことはやめる


    たとえば、地主から「借地人の子どもが新築するなら、名義変更料と承諾料の両方を払え。払わなければ新築は承諾しない」と言われた場合は、まずは親の借地権を子どもに転貸することの許可を求めましょう。 その次に、転借人となった子どもが借地上に建物を新築する許可を求めるという「二本立ての申し立て」が有効です。 地代支払い能力自体に特に問題が無いなら、借地権の転貸許可は降りるはずです。


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